自然に学ぶ研究通信

研究員奮闘記

毛髪から読み解く体内情報 2026.06.12

    髪は毎日伸び続けながら、私たちの体の情報をそっと記録しているアーカイブ。
薬物検査で毛髪が使われることは有名ですよね。これは血液中の薬物やその代謝物が髪に取り込まれるため、過去の摂取履歴を調べることができるというもの。

   
    実は近年、この「記録媒体」としての毛髪に注目した研究が大きく進展しています。
    毛髪中のアミノ酸やミネラルの種類や量が、糖尿病や高血圧などの健康状態を反映する可能性が報告されており、健康指標としての活用が期待されています。
まだ研究段階ではありますが、将来的には血液検査や尿検査に代わる、痛みを伴わず保存性にも優れた、より手軽な健康チェック法として活用される日が近いかもしれません。

髪や皮膚は、日々最前線で私たちの体を守ってくれている大切な存在。
一方で、髪は東洋医学で「血余(けつよ)」と呼ばれるように、生命維持に直接関わる組織ではないため、栄養供給の優先順位は決して高くありません。
だからこそ、髪の健やかさは体全体の状態を映すサインのひとつともいえます。
髪のためにも、そして健康のためにも、内側からの栄養と外側からのケアの両方を大切にしていきたいですね。